三升漬(さんじょうづけ)を作ろう~青唐辛子を使った北海道の発酵食品
三升漬(さんじょうづけ)ってなぁに?
三升漬とは北海道の各家庭で作られている発酵食品です。
材料は青唐辛子と米麹、お醤油だけ。
これらを保存ビンに入れて発酵させたら出来上がりの、超簡単なのにスグレものな調味料でもあり、酒の肴でもあり、ご飯のお供でもあります。
青唐辛子:米麹:醤油
一升:一升:一升=三升 ということで、三升漬。
読み方は「さんしょうづけ」ではなく「さんじょうづけ」です。
東北地方にも同じようなものがあり、あちらでは「一升漬」と呼ばれているらしいです。面白いですね。
※Wikiには「さんしょうづけ」って記載されてた・・・そう呼んでるところもあるのかしら?聞いたことないけど。
三升漬は時間が美味しくしてくれる
これは職場にあった三升漬です。
同僚が去年の今頃に大量に作り(職場で!)、約一年後の状態です。麹がかなりこなれているのが分かりますか?
青唐辛子の辛みと麹の甘みが相まって、お昼にこれをご飯のお供にするとばくばく食べ過ぎて困ります。
そしてこちらが我が家の、え~~、驚かないで下さい、10年物の三升漬です。
もう麹の粒は見当たりません。ノリの佃煮っぽい形状です。辛みもなく、というか、青唐辛子も麹もいません。どろん、としたお醤油…もろみに近いかも。
主に納豆に入れて食しています。あと、冷奴や湯豆腐にも。
ここまでくると、ご飯のお供からは卒業ですかね(笑)。
この三升漬がそろそろ食べ終わりそうなので、久しぶりに(10年振りに)今年、新しい三升漬を仕込みたいと思います。
三升漬の豆知識
では、三升漬を作っていきましょう。
材料は上記に記した通り、青唐辛子一升、米麹一升、醤油一升…
なワケありません!!合計三升って、30合分?樽が必要になっちゃう、小ぶりの樽が。
要するに、全部の材料が同じ分量であればOKなんです。青唐辛子が200gあるなら、他の材料も200gに・・・いや、ちょっと待って!
200g:200g:200g で仕込もうとすると、ほぼ確実に青唐辛子がすごい量になりそう。
まあ、それでも全然OKなのですが、そもそも、この「升」という単位。
尺貫法でいう体積の単位ですね。質量ではないので、グラムに置き換えてしまうと体積ではなくなってしまうのですね。ほ~~。
置き換えるならミリリットル。簡単に表記するとカップ〇杯ずつ、でしょうか。
尺貫法:
江戸時代の日本では,長さの単位に尺,質量の単位に貫を基本の単位とした単位系「尺貫法」が使われていました。
明治時代,1885年に国際的な単位の統一を目的としたメートル条約に加盟し,1891年に度量衡法が公布されたのを機に,メートル法(長さの単位にメートル ,質量の単位にキログラム を基準とした単位系)が普及していきました。
1951年の計量法によって,尺貫法を取引や証明に使うことが禁止されましたが,いくつかの単位は今も身のまわりで目にすることがあります。
大日本図書
フムフム…現代でも「一升瓶」「一斤」「坪」など、尺貫法がフツーに使われていることがありますもんね。三升漬も←ちょっと違うか。。。
そしてさすが、北海道の米麹。
袋の裏側に三升漬の作り方が記載されているのですが、
各材料の体積と質量がちゃんと変換してある!
三升漬の作り方
前置きが長くなりました(汗)。
ではさっそく三升漬を作りましょう~。
①保存用容器を煮沸消毒する
オーソドックスに熱湯で煮沸消毒。保存容器は蓋も煮沸に耐えられる金属製のものを選びます。
たっぷりの水にビン、蓋を入れ、沸騰してから5分煮ます。
(※一応、ビンなどを取り出すのに使うトングの先端も沸騰しているお湯に浸けて熱湯消毒したつもり)
お湯からビン、蓋を取り出し(火傷に注意!)、清潔な布巾やキッチンペーパーを敷いた上に、逆さまにしながらまず一旦置きます。
内部のお湯がきれたら、上向きにして蒸発させ水気を乾かします。蓋も同様にして水気をなくして下さい。
②材料を揃える
保存容器を乾かしながら、材料を準備します。
・青唐辛子を小口切りにする。ヘタは除く。種はそのまま。
・米麹を袋のまま揉んで粒をばらけさす。
・計量カップなどで青唐辛子と米麹を同じ量に揃えておく。大きい計量カップがなければボール等で代用。
③仕込む
青唐辛子と米麹を先に容器に入れ、同量の醤油を注ぐ。
ラップをしてから一旦、蓋を閉めます。
容器を優しく回して全体を混ぜ、トントンしてからラップを外し、口を清潔なペーパーで拭ってラップを新しいものに換え、蓋をきっちり閉める。
※ラップをしてから蓋を閉じるのは、後日開ける際に蓋と容器がくっついて開封困難になるのを防ぐためです。又、ホコリや雑菌が混入しないように蓋の上から更にラップで覆っています。住宅事情が~~(泣)。
④待つ
麹がこなれてくるまで、常温で保存。常温です。
麹の袋の裏側にも書いてあった通り、2,3週間もしたら食べられる、と思います。
んが!
青唐辛子、米麹、醤油が三位一体、もとい、三味一体になるにはもうしばらく時間が欲しい~。
はい、ここでもう一度、一年ものに登場していただきましょう。
どろん、感が美味しそうでしょう?
辛みはほとんどなく、麹のまろやかな甘みが食欲をそそります。
辛いのがお好きな方は2,3週間経った頃のを試してみて下さい。麹はこなれていないとは思いますが、舌がヒーヒーになりますよ~。
(本当はスプーンですくって直にお見せしたかったのですが、蓋がくっついてて開かない!!!私の力では開けられなかったので、ビンのままです。だから蓋の間にはラップが必要なんですね)
三升漬 まとめ
北海道のスーパーなどへ行くとビン詰めの三升漬が売っています。お土産屋さんにもありますね。
水産加工品で有名な佐藤水産さんでは「いかの三升漬」があります。絶対、絶対、食べて欲しい!青唐ではないのですが、お酒の肴に抜群です。もちろん、ご飯にも!
私はお茶漬けにしたり、納豆に入れるのが特にお気に入りです。
・・・おっとっと、手作り三升漬でした。すぐは食べれませんが作るのは超~カンタンなので、青唐辛子が手に入りましたらぜひお試しあれ!
3週間経過したものを追加で公開しようかな~?
どうなっているのか、お楽しみに!
追記:あれから3週間経って。。
さて、3週間経ったので、開けてみました。
見た目は麹がまだこなれてない風ですが、どうでしょう⁇
味見用に少し取ります。
ん?んんん⁈ 全っ然、期待してなかったけど、
おーいすぃー‼︎
もうしっかり麹の甘みを感じられる、このままでもう十分美味しい三升漬になっていました。
ただ物置きに放置してただけでしたが、ちゃんと育ってくれてたんだね〜( ; ; )。嬉しい。
煮沸消毒したスプーンでかき混ぜて、再びラップをして蓋を閉めました。閉めてから「あ、小さなビンに少し取り出せば良かった」と思うもあとの祭り。。。白ご飯にかけて今すぐ食べたかった~!
次もまた3週間後に様子見ます。
簡単なのに深い味わい。是非お試しくださいませ〜!